バナーがなくなり、トラフィック変換の価格が上がり、さらに新型態コンテンツが次々と生み出されるこの時代、インフルエンサーマーケティングが台頭し、オーディオビデオと画像が自然検索トラフィックという新しい戦場に加わるようになった。さらに消費者ネットワークのプライバシーが一躍マーケティング戦略の新たな焦点となり、機械学習がマーケティングの新たな学問となっている。こうした変化によりマーケティングも、かつてのトラフィック重視から効果重視へと転換しつつある。
こういった状況を受け、台湾の先進マーケティングテクノロジー企業4社、iKala(アイカラ)、awoo、漸強実験室(Crescendo Lab)、CloudADはガッチリとタッグを組んでEコマースのデジタル変革を推進することになった。4社は「MarTechエコシステム」を結成し、ECプラットフォームとブランドオーナーのために、バーチャルとリアリティが融合するこの新しい時代のための、テクノロジーとビッグデータを用いた全方位的に将来を見据えたソリューションを提供する。
iKala、awoo、漸強実験室(Crescendo Lab)、CloudAD の台湾先進マーケティングテクノロジー4社は、共同でECの「AI エンパワーメント」を推進する。 MarTech を利用して新リテール時代に対応するためだ。
バーチャルとリアリティが融合する新リテール時代には、MarTechを使用して消費者の注意を引き、データの力を借りて適切なオーディエンスを見つけ出す必要がある
インターネット情報研究機関である We Are Social と Hootsuite が共同発表した『Global Digital Report 2019』によれば、世界のEC業界は引き続き成長している。2018年1年間で28億人が電子商取引プラットフォーム(EC)でショッピングを行い、その年間成長率 は3.1 %、消費総額は約 1.8 兆、年間成長率は 14 %となった。
『Global Digital Report 2019』の7月の最新報告によれば、台湾では消費者の87%がインターネットで商品情報を検索し、 8 割近く(78%)がオンラインで商品やサービス を購入している。このように消費におけるインターネットへの依存度が高いものの、57%の消費者が が AD Blocker(広告ブロッカー)をインストールしていると答えた。これは世界平均の 51%より高く、調査対象となった248か国の中でも第5位だった。
これらの調査結果から、台湾の消費者の間で、オンラインショッピングのニーズが増加していること、しかし単に目立たせるだけの「トラフィック型広告」ではなかなか消費者にリーチできないことが分かる。そして多くの企業は、効果が明確でないブラックボックスのような広告をやめ、新型態のマーケティングテクノロジーと社内・社外情報をあわせて活用することで、より的確な広告をすべきであることに気づきつつある。
台湾のEC業界の成長は著しい。市場研究機関eMarketerの『世界電子商取引プラットフォーム2017』の報告によると、台湾のECは 2018年から 2022 年の間に毎年 7% 近く成長するという。対して、リテール業界全体の予測成長率は年率 1% 未満であることと比べると、EC業界では引き続き熾烈な競争が繰り広げられるであろうことが分かる。
台湾 の先進マーケティングテクノロジー企業4社が「MarTechエコシステム」を結成 タッグを組んでEC業界の「AI エンパワーメント」を推進
EC業界は、コンテンツ形式、広告方法、検索エンジンの最適化、コミュニティプラットフォームの効果転換、消費者行動のニッチ・マーケティング予測、放送ネットワーク広告などの各種コミュニケーションツールの全てをより一層「スマート」なものにする必要がある。テクノロジーを活用し、ビッグデータをうまく利用して、効果と利益を見える化することにはどの企業も関心を持つだろう。
各社の製品を生かすべく、iKala、awoo、漸強実験室、CloudAD の台湾先進マーケティングテクノロジー企業4社は共同で「MarTechエコシステム」を構築し、新たなEC時代に向けて、デジタル化、スマート分析、マーケティング応用の3大分野のトータルソリューションとサービスを提供する。
iKala、awoo、漸強実験室、CloudADは自社製品の強みを統合し、共同で「MarTechエコシステム」を構築
iKala:人を中心としたAI (Human-Centered AI) を活用したグローバルマーケティングテクノロジー企業
iKala には「クラウドテクノロジー」と「マーケティングテクノロジー」の二大事業部があり、企業のデジタル変革 (DX) とデータ指向マーケティング (Data-Driven Marketing)に関するソリューションをそれぞれ提供している。具体的にはAI インフルエンサー分析マッチングプラットフォームであるKOL Radarや、クラウドインフラサービスとスマートデータ分析の iKala Cloud、ストリーミングソリューションStraaS、AIによる EC画像修正サービスPicaas 、およびAIを用いた ECコミュニティツールShoplusなどのサービスとプロダクトを持つ。本社は台湾にあり、日本、シンガポール、タイ、ベトナム、香港にも展開している。
iKalaは300 の企業クライアントと10,000以上の広告クライアントにサービスを提供してきた経験に基づき、DAAフライホイール(Digitalization Analytics Application Flywheel)という概念を提唱している。デジタル化、分析能力、マーケティングテクノロジー応用によるフレームワークを通じて、AI導入に際して企業が明確なブループリントを得られるようにするためだ。
awoo: SEOおよびEDMマーケティングにおける台湾のリーディングブランド
awoo は人工知能(AI)テクノロジーでECビジネスをサポートする企業だ。 AI 技術を使って、膨大な商品を抱えるEC企業にスマートラベリングサービスを提供している。各商品の記述に従い機械がラベルを読取ることで、顧客は購入に際して、より的確に決定を下せるようにできる。
人工知能(AI)が読取ったラベルに基づき、ラベリングとメーリングマーケティングシステム、FacebookのDPA 広告システム、LINEの Push機能を連結させる。そして顧客が受け取るメールの閲覧率と商品の閲覧記録をラベリングし、顧客の興味ラベルのついた商品を自動的に選択し、商品ページを組み直した上で、メールやFacebook、LINEで顧客に送付する。
awoo はラベル付きのトラフィックを利用し、サイト外から新しいトラフィックも呼び込み顧客が興味を持つマーケティングコンテンツを発信することで、再購入を促進している。これに伴い顧客ーがサイト内で閲覧する商品ページ数が大幅に増え(2~3倍)、さらにショッピングカートに入れる商品数も増えている。結果として顧客当たりの決済単価は上がっているという。AwooはECクライアントがトラフィックチェーン全体を維持するためのベストパートナーだ。
漸強実験室:LINE 2.0 のマーケティング専門家
LINE のアクティブユーザーが台湾には 2,100 万人いる。消費者と直接コミュニケーションを図るための有力なプラットフォームであることは疑いようがない。 LINE のオフィシャル技術パートナーである漸強実験室(Crescendo Lab)は、その豊かな CRM および CDP の実務経験に基づき、企業のデータ収集と整合をサポートする。クライアントはニッチ・マーケティングや自動ラベリング、ショッピングカートリマーケティングなどの機能を利用し、ユーザーのオフィシャルアカウントにパーソナライズした情報を送ることができる。こうして各個人ユーザーとのインタラクティブ経験を最適化し、フォロワーの潜在性を高めるのだ。漸強実験室は、IKEAやH&M、Skyscanner、コンデナストグループ、ハーストメディア、ユニリーバのクノールなど大手ブランドにサービスを提供している。同社はまた91APPの戦略提携パートナーで、グローバルECプラットフォーム Shopify の台湾唯一の Meetup パートナーでもある。
CloudAD :AI 自動化広告発信サービス
CloudAD は、Google のマーケティングプラットフォーム (Google Marketing Platform) のサービスとセールスという2種類の認定を取得した数少ない台湾企業だ。デジタルマーケティング技術と機械学習効果を活用し、クライアントのためにカスタマイズしたデジタルビジネスモデルを構築する。トラフィック管理、デジタル投資利益率計算、ウェブサイト最適化、データ分析と応用などを得意としている。