台湾で30年以上続く不動産会社、信義房屋は、台湾では指標として注目されている企業です。O2O(online to offline)といったデジタル化の流れの中で、十全なデジタルプラットフォームをいかにして構築するかを重要課題としていました。2018年に「デジタルスマートセンター」を設立し、本格的なデジタル化の推進を始めましたが、実はそれ以前にもデジタルデータをクラウドへ上げるということは社内で行われていました。
「クラウド構築に必要な時間を約7割短縮」
先進高安定性、高速な Google Cloudを採用
信義房屋がクラウド化に際して特に重視したのは高安定性と高効率、そして柔軟性でした。これらを念頭に、 Google Cloud のクラウドコンピューティングの効率とAI(人工知能) 製品の応用、さらに Google Cloud の台湾・彰濱にある新データセンターの環境と製品開発のポテンシャルを検討しました。また、Google と iKala から専門のコンサルティングとソリューションを提案してもらい、様々な角度からそれらを評価した結果、これまで使用していたクラウドサービスから Google Cloudに移行することが決まりました。
GKE がコンテナ仮想化を迅速に推進
信義房屋が Google Cloudに移行を決定した際に目指していたことは、クラウド・インフラストラクチャを再構築し、クラウド・ネイティブ(はじめからクラウドで運用されるように作られたシステム)として、顧客サービスの全てでクラウド利用すること、そして将来的にはGoogle Cloudを利用したビッグデータ分析、機械学習などの機能を使いこなすといったことでした。そこでiKala Cloud は、信義房屋の独自サービスをコンテナ仮想化した後、Google Kubernetes Engine (GKE)に移しました。しかもGKEはクラウド・インフラストラクチャ再現性という特性を持つため、担当者はインフラストラクチャを何度も確認する際の時間と手間を大幅に節約することができました。今後、新規プロジェクトをコンテナ仮想化する時も、既に作ったストラクチャと同じように構築するだけですぐに利用可能になるのです。
デジタルスマートセンター副社長、陳麗心氏は「Google Cloudを選んだことで、導入時間が予定の 2/3で済みました。こうして IT の運営人件費を節約できただけでなく、移行後の追加のクラウド関連費用もそれまでの1/3になりました。」と語ります。
iKala と Google の緊密な提携による専門的支援:クラウド整備と IT担当者研修
iKala Cloud の迅速な支援と研修により、信義房屋のプロジェクトは円滑にコンテナ仮想化を行うことができました。さらに信義房屋が Cloud SQL の管理サービスを利用できるように支援もしてくれたため、ランニングコストの削減も実現できました。また事前に提案のあったCloud リソースの構築仕様も信義房屋が望んでいた通りのものだったため、将来的に出てくるニーズへの対応にも不安がなくなりました。こうしてクラウド・ネイティブになるための過渡期を無事にクリアできたのです。iKala Cloud の様々な実践的経験に基づくアドバイスによって、移行期間中を通して、データを安定的に保管できました。
信義房屋は自前のクラウド・インフラストラクチャを再構築し、クラウドの使用範囲を広げ、将来起こりうる構成の変更やデータの移築に対しても、IT担当者が秩序正しく対応できるようにしました。iKala Cloud の専門クラウドエンジニアからは信義房屋のために特化、整理されたマニュアルが提供されました。今後は会社としてのサービス内容をさらに良いものにし、その更新されたデータをクラウドに保存するだけでよくなったのです。さらにGoogle Cloudを利用し、一層正確なビッグデータ分析やAIをビジネスに活用していくことで、企業としてさらなる成長が期待できます。